「古希を過ぎると」-2

 「明日の朝九時までに港に来れる?」と、昔高校の先生をしていた男が声をかけてくれた。 沖合に仕掛けた網を引き上げて魚を獲ろうと言うのだ。十五分遅れで船は海上へ出ていた。冬にしては穏やかな沖の小舟に三人の男が大声で話し合っ […]

「古希を過ぎると」-1

わたしの友人のひとり、海苔屋の旦那が、先日四ヵ月ぶりに病院から無事に生還した。  十年前にクモ膜下出血で命を落としかけ、こんどは脳梗塞で寝たきり状態になりかかった。子供の居ないわたしと違い、彼には息子と娘がひとりずつ、内 […]